BBQってなんだろう?
BBQにどんなイメージを持っていますか?
「みんなでワイワイ」
「大人も子どもも大好き!」
「焼いてすぐに食べるライブ感」
「家族みんなで楽しめる」
「アウトドアを満喫」
「でも準備が大変」
「後片付けも大変」
「不慣れなので何を手伝っていいかわからない」
楽しいイベントの一方、大変そうと感じることはありませんか?
もしかすると今、頭の中で思い浮かべていたBBQは……BBQではなく「屋外焼肉」かもしれません!
BBQと焼肉は似て非なるもの。
海外のBBQ文化を学ぶと、日本で「BBQ」と呼ばれてきたものは独特なスタイルだと気づきます。まぁ、林間学校の飯盒炊飯で使ったような炉で炭火を起こして、せっせと薄切り肉を焼いているのなんて日本人くらいでしょう。
「日本バーベキュー協会」という、日本におけるBBQ文化の発展・啓蒙を目指して活動されている団体のホームページに「焼肉とBBQの違い」について紹介されているコラムがあります。
「調理が主体の焼肉、料理がメインなのがBBQ」
日本の焼肉は、その象徴的な食文化スタイルとも呼べる鍋料理の影響からか、調理と食事が同時進行している・・・つまり「焼きながら食べる」というのが一般的です。しかし欧米・特にアメリカのバーベキュースタイルは、肉や野菜を全て焼いてしまい、お皿に綺麗に盛り付けてから、みんなで一斉に食べるというのが基本です。
つまり一言でいうと、焼きながら食べる焼肉、焼き終えてから食べるバーベキュー、と分類できます。
焼肉とbbqの違い
より
たしかに!
いますね〜、鍋奉行ならぬ焼肉番長のような立場の人。
炭火の様子を常に監視し、絶妙の焼き加減を見極めて食材をみんなに取り分け、網の上の秩序を守ってくれる頼もしいリーダー。
そのまわりを
「次に焼く食材を準備する人」
「リーダーの指示で補佐をする人」
「網の上で焦げてしまったカスを取り除く人」
たちが取り巻き、そのさらに外側でも、みんな何かしらの役割を求めて火のまわりをうろついていたりしませんか?
そしておしゃべりをする隙なく、ひたすら
「焼く」
「食べる」
たまに「焦げる」
を、満腹になるまで繰り返します。
肉や野菜が焦げないように気を配り、焼けたそばからみんなで分け合い、冷める前に急いで食べる。これはこれで連帯感が生まれる楽しいイベントだったりもします。
が、
その最中、特に焼肉番長はほぼ無言だったりしませんか?
そしてみんなの箸の動きが鈍くなってきてようやくおしゃべりに参加してみるものの、その頃には後片付けへのプレッシャーが重くのしかかってきます。
BBQとはコミュニケーションツール
「焼きながら食べる」屋外焼肉には、なかなか会話が入り込む隙がありません。でも海外で主流のBBQは、食材を「先に焼いてから食べる」ので、みんなが焼き上がった肉と会話を同時に楽しむことができるのです。あるいは、大きな肉の塊の表面だけ焼いてBBQコンロに委ねて数十分放ったらかしている間に、ゆったりと会話を楽しむことができます。
つまりBBQとは単に料理の名前ではなくて、コミュニケーションを担うツールです。BBQというアトラクションを一人ひとりがうまく利用して、楽しい場を生み出していきます。肉を焼く合間に、喋ったり笑い合ったりする余地が生まれます。
だから「ひとり焼肉」あっても「ひとりBBQ」は成立しません。また、誰かひとりに準備や肉の見張り番や後片付けの仕事が偏ってしまうと、場の雰囲気は重たくなってしまいます。
BBQは、誰もが、気軽に、手軽に、楽しめるもの。
そのためには、ただ肉を焼いて食べて「おいしいね」というのではなく、アイデアや遊びを挟むことが大切です。
それはたとえば、迫力ある肉の塊だったり、その塊を真二つに切ることができる特製ナイフだったりします。紙皿と割り箸ではなくてお皿やカトラリーだったり、市販品の焼肉のタレではなくて一から調合した特製スパイスだったり、「焼肉×ビール」の一辺倒ではなくて肉に合わせて作ったカクテルだったりします。そういう物たちが、会話の糸口になって場を盛り上げていきます。
人と人をつなげるコミュニケーションツール。
それこそがBBQの本来の意味であり、BBQの醍醐味なんです。