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BBQ&Co|株式会社バーベキューアンドコー

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オーストラリア人が 年に100回BBQする理由。

BBQ先進国・オーストラリアで、2017年頃に、BBQ&Coの代表・成田がパースで体感したBBQについて紹介します。
オーストラリアのBBQ文化は日本とは背景が違いすぎて驚きの連続でした。

BBQ場なんてどこにもなかった。

国際交流協会の方に「本場のBBQ場を見せてほしい」と伝えて渡豪し、案内されたのは広い公園。

あの……BBQ場は?

公園の中に、長さ1.8mぐらいの長方形の箱が置かれていました。鉄板が200℃ぐらいまで加熱して肉を載せて蓋を閉めて待てば美味しく焼けちゃうBBQグリルです。

「まさか無料?」
「無料です」

聞けば、多くの公園には必ず無料のBBQコンロがあり、少し離れたエリアにベンチやテーブルが設置されていて、市民は自由に使ってBBQを楽しめるんだとか。

BBQ場の勉強をしに来たのにBBQ場がない。公園でタダでBBQができちゃっている。これを真似しても事業にならないぞ……という驚きから視察はスタートしました。

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BBQを使った場づくり。

当時、いくつか公園を案内してもらい、公園づくりのディレクターと話す機会も持てました。話を聞き現場を見せてもらう中で、公園や公共施設を運営する背景が日本とは全然ちがうことがよくわかり、「BBQは公園や公共施設をより良い場にする手段のひとつ」と頭の中を整理できました。その当時のインスピレーションがきっかけとなって、今のBBQ&Coがやっている「BBQを通じた場づくり」へと至っています。

この時に得た「公園の価値を上げる」という話はすごく面白いのですが別のコラムで。
オーストラリアのBBQ事情に戻りましょう!

BBQは気軽なアウトドアリビング。

公園でBBQができるオーストラリアに対して、日本のBBQはキャンプやアウトドアと結びついたイベントでした。

1970年代、全国に広まった野外活動研究と結びついた文化だったからです。林間学校や臨海学校の目的は教育なので、不自由な状況で頑張ってカレーを作ったり、自然と格闘したりする不便さが必要でした。BBQに快適さは一切求められず、海辺や山奥に置き捨てられたまま何十年もそのままでした。

だから日本では、BBQ場の多くはキャンプ場のような環境にあり、BBQに必要なモノはホームセンターのアウトドアコーナーに並んでいます。そして夏休みになると「子どもに自然体験をさせた方がいいからBBQでもやるか」と遠くの海や山奥に向かい、テントを張って炭を起こして肉を焼こうとするから、準備も片付けもとにかく大変。アウトドアに不慣れな人には、BBQは体力勝負な1日仕事というイメージがあるかもしれません。

でも、オーストラリアでは、公園にBBQグリルもベンチもテーブルが備え付けられていて、街を歩くのと同じファッションで気軽に出かけられるんです。そしてBBQに必要なグッズだってキッチン用品のコーナーで食器として売られています。

つまりオーストラリアのBBQは家の暮らしにとても近い。「今日はテラスで肉でも焼くか」というくらいに気軽なアウトドアリビングのものだったんです。

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オーストラリア人がやたらBBQをするもう1つの理由。

そしてオーストラリアには、BBQが必要とされる文化的背景があります。

オーストラリア人に「年に何回BBQしますか?」と訊いたことがあります。日本人なら年1〜2回と答えるところでしょうか。

しかし、返ってきた答えは「100回」。毎週末、土曜も日曜にもBBQをしているペースです。数人に訊いて回ったところ、100回までいかなくても、みんな年に50回以上はBBQをしていると言います。

「なぜそんなにやるの?」
「だってBBQはコミュニケーションだから。むしろ年に1回しかしないなんて意味がわからない」

つまり、彼らは家族や友人、大切な人たちとBBQを通じて人間関係を深めているんです。オーストラリアは移民が多い国なので、宗教・人種・言語など、違う背景を持つ人同士が互いを理解するためには、「自分のスタイルはこうだ」というプレゼンテーションを重ねていくことが重要だといいます。その点、BBQは食という1つ共通項のもとで、役割分担したり「自分はこうしたい」と新たな提案をしたりしやすいそうです。

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日本でもBBQをもっと利用したらいい。

その点でいえばハイコンテクストな国、日本。
BBQにコミュニケーションの要素を求めなかった流れは理解できます。が、日本人なら何事もツーカーというわけではなくて、「奥ゆかしさ」を盾に「事なかれ主義」を貫き、異なる意見のすり合わせを放棄してきた側面もあるはずです。

BBQを通じて人間関係を深めることは、チームビルディングにも通じるし、共同作業を通じてクリエイティブなものが生まれる可能性につながっていくはずです。多様性が謳われている今日は特に。

もちろん、海外のBBQをそのまま輸入するのではなく、日本の土壌に合わせて取り入れていきたい。年に100回とは言わなくても、もっとみんなが気軽に、愛着をもってBBQできるようになればきっともっと楽しくなる。

そのための場づくりや、プロダクトづくりをするのが、BBQ&Coの役目です。




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